議会ダイジェスト

福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。

鳥獣害対策(シカ・イノシシ)について

2026/06/26

質問:全国的に有害鳥獣による農作物被害が深刻化しています。県内では昨年の有害鳥獣による農作物被害面積は4年ぶりに減少したものの、依然として高い水準にあります。特にシカとイノシシによる被害が深刻で、被害面積の約97%を占めています。シカについては、嶺北地域を中心に生息数の増加が続いており、2024年度の推定生息数は約10万5千頭となっています。県は捕獲目標を段階的に引き上げ、今年度は過去最大となる約2万3千頭を目標に掲げています。そこで、シカ捕獲目標の算定根拠と目標達成に向けた捕獲従事者の確保や育成、予算措置など、実効性のある体制整備は十分図られているのか、伺います。

答弁:大石農林水産部長

シカ捕獲数の算定については、令和6年度の推定生息数をもとに、繁殖率や捕獲数、嶺北地域での増加傾向などを加味したシミュレーションや学識経験者などの意見を反映し、シカの捕獲目標数を、生息数を減少に転じさせる年間2万3000頭としました。また、捕獲従事者数については、猟友会と連携した狩猟を免許試験の事前講習会や猟場ツアーの開催、狩猟免許取得に対し経費を支援するとともに、2名の公務員ハンターが捕獲実績を上げている南越前町や鳥獣被害対策実施隊員を広く公募した越前市の事例を各市町と共有するなど、人材の確保と育成に努めております。今年度の鳥獣害対策の予算費は7.4億円を確保し、シカの捕獲技術の普及拡大や捕獲経費の支援を行うとともに、被害が著しい丹南地域において国も参加する鳥獣被害対策タスクフォースを設置し、関係者が一体となり重点的に捕獲を進めていきます。

 

質問:農家や集落からは「防護柵の設置や維持管理の負担が重い」との声も多く聞いています。特に高齢化や人口減少が進む中山間地域では、ネットや電気柵を自力で設置・管理することが困難な集落も少なくありません。現在、国の制度では集落が自力で設置する場合は防護柵が支給されますが、業者に委託して設置した場合は材工費の2分の1しか補助されず、高齢化が進んだ集落ほど自己負担が重くなるという課題があります。そこで、県は、高齢化した集落の負担の実態をどのように把握しているのか。また、業者委託による設置費用への県独自の上乗せ支援や、複数集落を面的に囲む広域防護柵の整備の推進など、高齢化の進展に対応した鳥獣害対策を一層強化すべきと考えますが、所見を伺います。

答弁:大石農林水産部長

本県では、中山間地域が水田面積の52%を占め、農作業従事者の高齢化も全国上位であることから、自力での柵設置管理が困難な集落や作業に参加する若い世代が少なく困っている集落があると認識しています。これまで県では、国に対し請負施工に係る補助率の引上げなど制度見直しと予算額確保を求めており、6月10日にも国に対し要望したところです。また、市町に対し業者委託した場合の自己負担分に中山間地域等直接支払交付金が充当できることや、自力施工や管理作業に多面的機能支払交付金が活用できることについて、改めて周知を行いました。複数集落を面的に囲む広域防護柵については県内で12か所整備しており、人の生活圏と野生動物の境界線を適切に保つことで被害が大幅に減少しています。県では、鳥獣害対策コーディネーターを増員し、広域防護殺の設置を進めるとともに、通電防草シートや電気柵遠隔監視システムの普及、ドローンの活用など、高齢者の負担に配慮した鳥獣害対策を進めていきます。