議会ダイジェスト
福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。
教育行政について ①高校授業料無償化による影響について
質問:高校の授業料については、今年度から国の支援制度により、すべての高校生に対して年間11万8800円の授業料の支援が行われています。さらに来年度以降は、私立高校授業料無償化への制度拡充により、すべての高校において授業料が無償化となる見通しで、教育の機会均等の観点からは、評価すべき施策であると考えます。
一方で、先行して高校授業料無償化を進めてきた東京都や大阪府では、公立高校の定員割れが相次ぎ、地域の教育バランスに影響を及ぼしているとの報告もあります。授業料の無償化により、設備が整い、教育内容に特色のある私立高校へ受験者が流れる傾向が強まっていることは、今後の公立高校の存続に関わる重要な課題であると考えます。
特に、本県の県立高校には、職業系の学科も多く、こうした学科に在籍する生徒の中には、卒業後に県内企業に就職する者も数多くいます。若手人材を求めている県内の中小企業にとっても、職業系学科を有する県立高校の存続は、地域産業の人材確保の面でも極めて重要です。
公立高校で定員割れが増えている現状を踏まえ、今後、私立も含めすべての高校の授業料無償化が進む中で、本県において、特に多くの職業系の学科を有する県立高校の存続と役割を維持するために、どのような方針で臨むのか、教育長に伺います。
答弁:藤丸教育長 県立高校では、生徒一人一人に寄り添った多様な学びを提供しておりまして、SSH校を中心とした先進的な教育をはじめ、地域の拠点となる普通科高校やプロ人材高校における地域を支える人財の育成、また、定時制、通信系高校における学びの補償など、県内全域において多面的な役割を担っています。特に、職業系高校、プロ人材高校におきましては、県内への就職進学率が約7割と地元志向が強く、専門分野の資格取得や企業連携による体験学習など、実社会につながる学びを通じ、地域を支える即戦力となる人材を育成しています。こうしたプロ人材高校の価値をパンフレットやPR動画により、中学生、その保護者、教員等に広く周知し、より多くの生徒を呼び込みたいと考えています。
また、今後は新たに地域課題の解決に向けた県立の高校生の取組を表彰する高校生チャレンジャーアワードを実施するほか、高校生の主体的な取組に対する支援を拡充するなど、より探究的な学びの充実を図っていきます。
さらに、体育館等への空調設置の拡充や、トイレ環境のさらなる向上、新たな交流スペースの整備など、学校施設の環境改善にも努め、これまで以上に選ばれる県立高校を目指し、魅力向上に尽力してまいります。