議会ダイジェスト
福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。
福祉行政について ②誰でも通園制度の課題について
質問:こども誰でも通園制度は、国の少子化対策の柱の1つで、就労していない保護者でも家族以外の人と関わる機会や、集団生活の体験を通して子どもの生育環境を良くすることを目的に、いよいよ来年度から全国の市町村で本格的に実施されます。
この「誰でも通園制度」に対する市町や園側が抱える課題に対する県の認識を伺うとともに、県内の保育園、こども園に通っていない子どもの人数と利用予測数、そして受け入れ体制の確保が可能なのか伺います。
答弁:宮下健康福祉部長 本制度の課題として、園や市町からは一時預かり制度との違いが不明確、利用時間が短い、運営費補助が低額、利用希望者が少ないとの声をお聞きしています。
利用時間、補助単価については現在、国において本格実施に向けた検討が進められており、その結果を踏まえて制度周知を図っていくことが今後必要と考えています。本制度の対象として、未就園児の数は本年4月1日時点で4000人です。
今後、国から利用見込み算出に係る手引などが示されることになっており、それに基づき市町が利用ニーズや受入れ体制を精査していくことになりますが、本県は、一、二歳児の入所率が全国59%に対し80%と高く、本制度の対象者数が少ない、また、9割の園で未就園児の一時預かりの体制が整っていること、また、既に先行実施している市の利用実績も少数であるということから、利用希望者に対する受入れ体制を確保することは可能であると見込んでいます。
県では本格実施に向け、先月、市町とこども家庭庁を交えた意見交換を開催したところであり、来年度から円滑な実施に向け、引き続き市町の支援を続けてまいりたいと考えています。
質問:県内の保育士からはクラス以外の子どもが不定期に登園すれば、その子にだけ手を取られ本来の保育自体さえ疎かになるだけでなく、現在以上に負担が増えれば保育士離れも加速するという不安の声も聞き及んでいます。
そこで、本県が取り組んでいるふく育さんを、空き保育室に派遣するという制度を創設し、保育士にも負担をかけずに、保護者も安心して預けられる本県独自の通園制度を提言しますが所見を伺います。
答弁:宮下健康福祉部長 ふく育さんについては7月の利用実績が200件を超えるなど、順調に利用が伸びており、6月からは育児負担の大きな世帯への支援を強化するため、利用券の配布を始めたところです。ふく育さんへの登録は183名おり、保育士の有資格者は3割であり、まずは利用者宅での家事、育児のニーズにお応えしていくというところに集中していきたいと思います。
また、本県では独自事業であるすみずみ子育てサポート事業により、民間事業所による一時預かりの施設が充実しており、令和6年度は未就学児を中心に延べ3万9000人に御利用していただくなど、保育所を利用していない子育て世帯の受皿として既に定着している感があります。
県としては、こうした本県独自の子育て制度の一層の充実を図るとともに、こども誰でも通園制度を円滑に運用して保護者の選択肢を多様化し、保育所等も含めた地域全体での子 育てを柔軟にサポートできる環境づくりをさらに進めてまいります。