議会ダイジェスト
福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。
知事の政治姿勢について ①使用済燃料の県外搬出に対する考え方について
質問:関西電力は県議会に対し、県内3つの原子力発電所敷地内で計画する、使用済燃料の乾式貯蔵施設の運用を巡り、遅くとも2035年末までに同施設から県外の中間貯蔵施設へ搬出を開始するという方針を示しました。
今回明示された「遅くとも2035年末」は、今から10年後となりますが、関電は、中間貯蔵施設の候補地について「今後の対応に支障が出る」として、明らかにはしませんでした。
乾式貯蔵の事前了解の是非を協議するにあたり、乾式貯蔵が永久保管になるのではという県民の不安を払拭するためにも、候補地を示した上で、搬出に至るまでのロードマップを県および議会に提示することを関電に対し強く求めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
答弁:杉本知事 乾式貯蔵施設については、関西電力の計画で、発電所ごとにおおむね3年か6年程度の工期がかかり、運用を開始した後は、年間50トン程度をプールから移動し、最も遅いケースで、2035年から年間100トン規模で乾式貯蔵施設から中間貯蔵施設に使用済み燃料を移していくと示されています。
関西電力によれば、搬出の規模を安定的に維持するため、乾式貯蔵施設に一定程度の規模の貯蔵量が必要であるとのことですので、その環境を少しでも早く整えるため、事前了解の検討を進めることを依頼しました。
県としては、事前了解の判断までに確認することとしていた4項目について、今後、県議会、立地町、安全管理協議会、また、安全専門委員会等の御意見を伺いながら、総合的かつ慎重に判断していきたいと考えています。
一方で、使用済み燃料を県外に搬出することについては、関西電力の約束通り、中間貯蔵施設の2030年頃の操業開始について、国と事業者が責任を持って実現する必要がありますので、今後とも強く求めていきたいと考えます。
質問:関電は2035年末までに県外の中間貯蔵施設に搬出開始できない場合は、乾式貯蔵している使用済燃料を原発内の燃料プールに戻すとしています。より安全性が高いと言われている乾式から、保管のリスクが増す湿式に戻すというこの提案は、2035年までの県外搬出の確固たる意思を示したとしても、理解しがたいものであると考えます。
こうした関電の意思の示し方は批判を受ける前提で覚悟を示しているようにしか映らず、全く担保になっていないと考えますが、搬出開始が出来ない場合の提案について知事の見解を伺います。
答弁:杉本知事 御指摘のとおり、関西電力は、2035年末までに乾式貯蔵施設から中間貯蔵施設への搬出を開始できない場合はプールに戻すという考え方を示していますが、これは、乾式貯蔵によって長期間、永久にというような懸念に対し、その懸念を払拭するために関西電力としての考え方を示したものと考えます。
もとより、プールでの貯蔵についても、原子力規制委員会の厳正なる審査を経て許可を得ているため、安全は確認されています。また、関西電力も、乾式貯蔵からプールへ戻す作業は通常行わないと言ってます。
いずれにしても、乾式貯蔵施設に貯蔵した場合は当然、プールに戻すことがないよう、2035年末までに確実に中間貯蔵施設に搬出を開始する必要があると考えています。