議会ダイジェスト
福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。
交通政策について
バス空白地域における代替交通手段について
質問:現在、県内の8市町において「日本版ライドシェア」の実証が始まっていますが、これまでの利用実績について伺うとともに、利用者がタクシー事業者からは、運行のメリットや課題について、どのような意見を聞いているのか伺います。
答弁:武部未来創造部長
日本版ライドシェアの利用実績は、11月末現在で運行日数は延べ273日、配車件数は193件、売上げは約30万円となっています。福井市内においては、全国のタクシー平均利用率(1時間当たり0.7件)と同水準の利用がありますが、その他の市や町では利用が低調となっています。事業者からは、運行のメリットとして、「ライドシェアをきっかけにタクシー運転手の採用増につながった」と伺っています。その一方、課題としては、現在の需要では採算性の確保が困難との声が多くありました。また、事業者が利用者に意見を聞いたところ、アプリの活用により、タクシーの連絡先や日本語が分からなくても利用できるメリットがある。その一方で、年配の利用者からは使い方が分かりづらいといったような声をいただいています。今後、こうしたメリットや課題、それからタクシーの不足状況等を十分に検証し、本格運行の可否を判断していきたいと考えております。
質問:地方においては、国が想定する交通空白地域に該当している場合でも、明確な基準は示されておらず、住民にはっきりとした自覚がないため移動に関する困りごとや、要望がとりまとめづらいという現状があります。そこで、曖昧となっている交通空白地域を指定し、住民に公表するとともに、交通空白地における移動のニーズや困りごとを住民と連携して洗い出し、地域の実情に応じた公共ライドシェアの導入を促進していく時期にあると考えますが、知事の見解を伺います。
答弁:杉本知事
各地域の交通手段の確保は非常に重要だと認識しておりますし、その上で交通空白地域も一つの判断材料になると認識しています。ただ、交通の状況というのは様々で、鉄道、バス、タクシー、交通空白地域、それだけではなく地域の実情に応じた対応がそれぞれ必要だと認識しています。
全ての市や町には、地域公共交通会議のような様々な会議が設置されており、住民、行政、有識者の間で具体的な議論がされています。
最近の例ですと、交通空白地域ではありませんが、越前市の坂口地区は昼間の時間帯、高齢者の方が町なかの病院に行くのに大変苦労をしているという実情を踏まえ、公共のライドシェアを導入ました。また、池田町においても、「マイバス」という公共ライドシェアを導入しております。そういった様々な事情がありますので、県として、地域公共交通会議のようなところに参画し、例えば、路線バスが駄目ならコミュニティバス、コミュニティバスが駄目ならデマンド型のバス、タクシーなど、さらには公共ライドシェア、もっと進めば自動運転車等、様々な可能性を地域の皆さんと相談しながら、公共交通ネットワークの持続可能性をさらに高めていく努力をしていきたいと考えています。