議会ダイジェスト
福井県議会における、民主・みらいの一般質問・議会記録です。
知事の政治姿勢について ④全国知事会における提言と今後の施策
質問:政府が進めてきた地方創生戦略について、一極集中などの大きな流れを変えるには至らなかった要因や今後に向けた課題をどのように受け止めているのか、所見を伺います。
答弁:杉本知事
国の地方創生については、一定の成果が上がっていると思います。この取り組みによって福井県では、2人目以降のお子さんの保育料無償化や医療や介護の一体化等さまざまな各地域における創意工夫を生みました。そういう意味では地方創生に意義があったと認識しています。
ただ一方で、人口減少問題は例えば大学入学や就職をするときに大都市圏に人が集中してしまうという社会構造そのものに大きな課題があると認識をしていますが、こういった大きな社会構造の変革にまで国が本腰を入れて取り組んでこなかった結果が現状の人口問題に発展してきていると認識しています。例えば、高校3年生(18歳)は東京の全国における人口は9%であるのに、大学の入学定員は25%ある。また、資本金10億円以上の大企業の52%は東京に本社がある。こういった骨太な状況を変革していく議論がおざなりになり、取り組みが弱かったのではないか。他県の知事からも、大学、企業が東京に集中する状況にメスを入れ、地方創生の新展開の早期具体化を進めるべきという意見もありました。これからは、国はこの社会構造の変革を行うような政策を中心に、腰を据えて分散型国家の形成に取り組んでいくべきだと考えています。
質問:一極集中の是正に向けた社会構造の変革に係る知事の提案が、国において確実に実行されるよう、今後の全国知事会における展開や県から国への働きかけなど、どのような展望を持っているのか、知事の所見を伺います。
答弁:杉本知事
先月福井で開催された全国知事会議において、地方から大都市圏に若者が集中していく、そうした社会構造の変革を国が責任をもって進めるべきだと申し上げました。その結果として緊急宣言の中に「人口や産業が特定の地域に集中している現状を見過ごすことなく、地域における社会減を緩和する、真に効果的な施策を展開する」という言葉が盛り込まれました。私もメンバーとして名を連ねさせていただいている人口戦略対策本部においても、9月6日に平井本部長が関係大臣に対し、まずは国が司令塔となるような体制を整え社会構造の変革を進めるよう強く要請したところです。私も6月に自見はなこ地方創生担当大臣に対し、大学の定員の見直しや、従業員を地方に展開するような税制といった具体論も含めて提案したところです。
今後はさらに人口減少問題の打破に向け、国全体でこの問題に取り組むよう全国の知事とともに働きかけを強めてまいりたいと考えているところです。